ウソにはインチキで——松岡農水相と擬似科学商品

「この商品は信用できない」、とぼくが判断する要注意ワードがいくつかありますが、そのひとつが、水関連商品における「クラスター」です。
クラスターというのは科学用語ですが、しかし水関連商品でこの用語が使われていたら似非科学だと思って間違いがない。つまりインチキです。


松岡利勝農林水産大臣の光熱水費疑惑。「なんとか還元水」と答弁していたものは「ナノクラスターGeルルド水」(オーガニックゲルマニウム株式会社販売)であると報じられています。

クラスターに加えて、「ゲルマニウム」と「ルルド」。

健康を謳う商品においてゲルマニウムの名を冠しているのも要注意です。体によい証拠はなく、むしろ摂取することで中毒になる危険があります。厚生労働省はゲルマニウムを含有させた食品の取り扱いについて注意の通知を出しています。

ルルドは、キリスト教の「ルルドの泉」の話に依拠しているものでしょう。ある少女がマリアの姿を見たというルルドの地にある泉。この泉に治癒効果があるという「伝説」です。

つまりは、要注意ワードだけでできてるような商品名ですね。


松岡農水相がウソの報告をしていた、ということが真相だろうと、だれもが思うわけです。が、百歩譲っても、光熱水費としてミネラルウォーターを計上するのは問題でしょう。確定申告のこの時期に……松岡大臣の言葉を言い訳に妙な申告する人がいるんじゃないですかね。

「今、水道水を飲んでいる人はほとんどいない」という発言もあったし、これには、水道水の安全性、浄化や味に命をかけてきた水道局の方々はどんな思いでしょうか。(水道水は、清涼飲料水であるミネラルウォーターより水質基準が厳しいのです)

国税庁、水道局、厚生労働省はそれぞれ厳重に抗議すべきです。
そして野党やマスコミは、当然のことながら、こうしたウソをつかせる以前に、事実を明らかにして責任を問うてほしい。もちろん、大臣を任命した人の責任も。

ウソにウソを塗り固めるために、擬似科学商品の宣伝の片棒をかつがれたんではたまったものではないですね。そういう意味では文部科学省も抗議すべきかも。

[政治・国際・社会, 科学と、科学でないもの]
2007.03.14 - 11:19 AM |
池田晶子さんの思考が終わってしまった | 『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』

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