漫画『アクション』

漫画『アクション』が復刊しました。

ぼくには漫画週刊誌を買うという習慣がなく、それはよく言われる「大の大人が電車の中で漫画を読んでみっともない」とかいう理由ではなく(別にみっともないとは思いません。ただしエロ系は、漫画に限らず、嫌悪する人がいる公共の場ではひろげて見ないほうがよいとは思います)、いいと思える漫画はまとめてちゃんと読みたいから、細切れに週ごとに読まされるのを好まないのと、読みたくもない漫画といっしょに買わなければならないのも無駄に思えるからです。

でも例外的に、大学時代の一時期、『アクション』を買っていたことがありました。また仕事に就いてからは、『モーニング』を毎週買っていたこともありました。それらに共通していたのは、ほかの漫画週刊誌にはない、新しいものを希求する雰囲気があり、漫画家が表現を一心に試み、編集者が冒険している面白さでした。
ただそれでもやはり細切れ、ゴッタ煮の形式であることには変わりなく、たしか月刊『アフタヌーン』が創刊されるとともに、そちらを買うようになり、週刊誌を買うのは止めたような気がします。
『アフタヌーン』は、月刊だということもありましたが、『モーニング』よりさらに先進的で、新しい作家の描く新しい世界を積極的に取り上げていて、ほかの雑誌では読めない漫画ばかりでした(それは今の『アフタヌーン』も変わらないようです)。

ただし、ぼく自身はここ数年もう単行本しか買わなくなり、さらには漫画喫茶の隆盛により、買わなくても新刊漫画はほとんど読めるようになったので、よほど手元においておきたい単行本以外は買わなくなりました。

しかし復刊した『アクション』を買ってみて、この雑誌がまた新しいことを始めたのを知り、漫画という、リアルタイムでの市場性を持つ表現方法のさらなる拡がりを感じています。
蓮池透氏が原作を書いて正面から拉致問題を扱っている作品をはじめ、死刑、こどもの性、カルト宗教、警察の腐敗、格闘技、キャバクラなどなど、今まさに旬な社会問題をテーマにした漫画満載です。キャッチコピーには「疾走するメッセージコミック」とあります。

社会派と言われる漫画作品はこれまでもありましたが、雑誌全体が社会的なテーマを中心にすえ、かつエンターテイメントとして成立させようとする試みはとてもおもしろい。週刊誌ではなく隔週刊ですが、2号目にも新連載開始が予告されていて、楽しみです。

[書籍・雑誌]
2004.04.22 - 03:50 AM |
ほんとうの悪夢がはじまったのかもしれない | 気になる用語「わかった」

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