「白い一日」の青さ

ぼくのiTunesの再生回数トップは、「ハナミズキ」です。昨年後半は、ずっとこの曲を聴いていたような気がします。
抑えた熱い思いを抱いたり、その思いを反芻することで生きるあたたかさを得たり……「もらい泣き」以降、そのような気持ちの出し入れを詩と歌声によって支援してくれる一青窈さんという存在に、ぼくはありがたさとうれしさをいつも感じています。

そういえば、30年前、同じような……でももっとずっと青臭い……切なさをこころに抱いたときに聞き、また歌っていたのが小椋佳さんの曲、ことに、「白い一日」でした。

その曲を、今やすっかり禿げあがってしまった小椋さんが、しかしあのころとまったく変わらない落ち着きのある美しい声で歌ってくれ……そして一青さんにバトンタッチ。次の瞬間には、彼女以外のだれのものでもない「白い一日」になっていて、それはそれは見事でした。

小椋さんはぼくよりおよそ15上、一青さんはぼくより15下。
30違いの真ん中にいるぼくが、あの曲を、30年の時を経て、おふたりの声で聴くことができるしあわせ。
ぼくの大好きなおふたりが、初めて会ったのにすでにお互いに深く認めあっていたというよろこび。
小椋桂と一青窈のツーショット。小椋桂と一青窈のデュエット。
心が震えました。


思いを、すなおに見つめること。
ことばを、誠実に希求すること。

そうした気持ちや姿勢と、その結果としての歌声は、たしかに共通するものかもしれません。
そしてたしかに、そういうところこそが、ぼくをとらえて離さないところなのです。

NHK『音楽・夢くらぶ』11月3日 小椋佳&一青窈[nhk.or.jp]

[映画・演劇・テレビ]
2005.11.04 - 12:53 AM |
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