解明できないからこその科学
科学とは、論理的思考と、実験と、実証だ。
心霊現象やUFOや超能力を信じる人たちが使う常套文句に「科学でも解明できないことがある」というのがある。
だが、科学に解明できないことがあるのは、あたりまえのことだ。
すべてのことが解明できてしまったら、もはや科学は必要ない。わからないことをわかるようにするために、科学があるのだから。「解明できないことがある」というのを科学の敗北のごとく言うのは、だからまったく科学というものを理解していない証左である。
科学では解明できていないことはたくさんある。
肝心なのは、解明できていないということは、わからないということでしかない、ということだ。
例えば幽霊の存在を科学は証明していない。存在しないという証明もしていないが、だからといって存在することになるわけではない。いるかいないかわからない、というだけだ。
でも幽霊をみた人はたくさんいるではないか?
そうではない。みたと思っている人がたくさんいるのだ。
由紀ちゃんが今日下駄箱のところでぼくに微笑んだ。由紀ちゃんはぼくのことが好きなんだ。
と、思うのは勝手だが、だからといって由紀ちゃんがぼくのことを好きだとは限らない。往々にして好きなわけではなく、勘違いである。
往々にして、幽霊はすすきや、何かの影や、ただの人である。
勘違いではない、ということをはっきりさせるには、みんなの前で、由紀ちゃんに、ぼくのことが好きだ、と言ってもらうよりほかない。
[科学と、科学でないもの]
2003.01.15 - 04:37 PM
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