染井の桜

somei_s.jpgでがけに寄り道をして、染井の墓地に桜を見に。
ソメイヨシノ発祥の地という由緒正しい場所にありながら、近所のひとがぽつぽつと来ているだけで、もちろん酒臭さや騒音カラオケとは無縁の、静かな花見が楽しめる、とっておきの場所。

満開の桜を見上げていると、ふう、と、胸がいっぱいになる。

かつて生きたたくさんのひとびとが眠る古びた墓石や卒塔婆の上を、堂々とした枝振りの先々につくたくさんの淡いピンクの色が覆っているさまは、生と死が繰り返す営みを象徴しているような気がしてくる。

何年か前、この墓地で、満開の花を見上げながら、
「今年も咲いてくれてありがとう」
とうれしそうに樹に話しかけていた老婦人がいた。
ぼくも、ああほんとうにそうだなあと、その老婦人に声をかけたかったけれど、
なぜだか目頭があつくなってしまってかけられなかった。
あの方は、今年も見に来ておられるだろうか。

[日記・コラム・つぶやき]
2004.04.01 - 04:25 PM |
性的嗜好 | 母の仕事

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