知るための方法を知るための方法

科学というものは、実験と計算でできた冷たいゲンジツ、みたいに見られているところがあります。

でも本当はそうではなく、わくわくする気持ちを源泉とした、世界の秘密を知るための方法、であるとぼくは思います。
そしてその「方法」は、科学者でないぼくらにとってもまた、この世の中でいろいろなことを知ったり考えたりするために絶対必要な、とても大切な「方法」です。

科学とは、知識ではなく方法だ、とずっと思っていたぼくですが、その方法そのものを考える学問がちゃんとあることを、最近になってようやく知りました。
自分の不勉強さにあきれつつ、またひとつ面白いものに出会えた喜び。

「科学哲学」とよばれるその学問をぼくに紹介してくれたのは、「科学と科学でないものの線引き」という課題を通して科学とは何かを考える『疑似科学と科学の哲学』という本。とても勉強になりました。
科学それ自身についての理解はもちろんですが、「どのように知り、考えるのか」ということについて「知り、考える」ためのとてもいい教科書です。
頭をフル回転させながらでないと読み進められないので、時間がかかりましたが、でもたぶんこれからも何度もひっくり返して読むだろう一冊です。

疑似科学と科学の哲学
伊勢田哲治著、名古屋大学出版会刊
ISBN:4815804532

著者は名大助教授で、名古屋大学出版会刊だから、実際に教科書として使われているものだと思います。
そういう意味では、「どのような題材で、どのように教えるか」ということについても、とても参考になりました。内容は堅いけれど、構成も文章も読みやすく、おもしろいので。

[書籍・雑誌, 科学と、科学でないもの]
2004.05.01 - 01:52 AM |
ニーチェア | Movable Type & XOOPSを導入してみて

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