堀江メールでEudora知名度アップ?

平沢勝栄衆院議員からも同じメールの、黒塗りがより少ないプリントが示されて、旗色の悪い永田寿康衆院議員。

そもそも永田議員が提示したメールは、彼の手に渡った時点で印刷されたものであり、それの入手経路だけでなく、技術的に得られるはずの情報をあらかじめ得ておかなかったようであるのは、ツメが甘すぎます。

あのプリントに気になる点があったので、実際に自分でEudoraをインストールして、同じ文面を送受信してたしかめてみました。
わかったこと。

  • プリントされている書体はMS Pゴシックで、印刷のタイトル部分の書式などからしてEudoraから直接プリントアウトしたものとみていいだろう。
  • メールヘッダはEudora上でメール単体を表示して印刷したときに付されるデフォルトのもの。

    →X-SenderやX-Mailerがあって他のヘッダ情報がないのはヘンだと思ったのですが、そのようなデフォルトでした。
    →最新のEudora 6.2ではX-Senderはつかないのですが、6.2は昨年11月にリリースされていて、それ以前のバージョンではX-Senderがつけられていました。(http://eudora.livedoor.com/support/faq/detail?id=58) したがってこのメールが出されたとされる当時の最新版でのデフォルトの状態です。
つまり、少なくともわかる範囲では、メールを別のエディタなどで作ったものには見えない、ということです。
(他のソフトで作ることも難しくはないが、わざわざ作るよりEudoraから普通にだすほうが簡単)

平沢議員が提示したメールでは、X-SenderにEudoraの名前が出ています(書式等、ぼくが確かめたものと一致しています)ので、Eudoraで出されたメールをEudoraで受け取ってそのままプリントアウトした、とみるのが妥当でしょう。
Eudoraはぼくも以前使っていましたが、しかしシェアからしてメジャーとは言えないメールソフトです。その一方、Eudoraを日本で扱っているのは今はライブドアですから、ライブドア社内でのやりとりとすれば送信も受信もEudoraであるのは自然です。逆に言うと、ライブドア外での、またはライブドア外とのやりとりであれば両方がEudoraであるのはやや不自然です。

それでもぼくが気になっている点はまだいくつかあります。

  • プロバイダやサーバや、インストールしているアンチウィルスソフトによって、ほかにも表示されるヘッダがあることのほうが多いのではないか。
  • なぜ本文の部分のみの行がすべて一文字下げになっているのか。(Eudoraの仕様かも、と確かめたのだがそうではなかった。それに署名部分は字下げされていないようです)
  • 本文中の数字部分はすべて全角を使用している。(コンピュータに慣れた人は一般に全角数字を使わないことが多い。堀江氏もブログでは英数字には半角を使っているようです)
  • 名前の前の「@」は? 一般にはあまりこういう書き方をすることはない。(堀江@ライブドアとか、選挙中でしたから堀江@広島、ならわかりますが)
    あえて考えれば、例えば同行している秘書が「堀江さんとこにいる」という意味でつけたのでしょうか。であるならばfromを塗って隠している理由にはなります

しかしこうしたことも、ライブドアの社員などから、ライブドアアカウントのメールを見せてもらえばわかることもありますし、そもそもやはりホンモノ(印刷でない、PC上で)のメールで直接確認していないのは甘すぎますね。少なくとも、経路情報のわかる詳細なヘッダを含むメールデータを確認するのは基本でしょうし、それがあれば強力な証拠になりますから、今回のような使い方をするならば必須でしょう。
本人がそのようなネットの基本知識を持ち合わせていなくても、それを補佐する技術的知識のある相談役が、国会議員のそばや、野党第一党の内部にいないらしいのは、お寒いばかりです。

平沢議員が提示したメールは、画像で重ねてみると永田議員のものとおそらく同一のプリントアウト(「同一のメール」であるばかりでなく)であることがわかります。メールの提供者はあちこちにあのメールを持ち込んでいたのではないでしょうか。

今回のメールは完全なガセではなく、なんらかの「元」があるように思います。しかしそうだとしても、今回の「騒動」は、不安材料がゾロゾロと増えてきていた自民党の体制を雰囲気的に挽回してしまう効果を残してしまいそうです。まったく何をやってんだか。

追記:インデントについて
本文の一文字分のインデントは引用したからだという話があって、でも引用した場合は引用部分に「>」がつくか、縦線が引かれるだろう、と思っていました。
でEudoraで印刷してみたら、やはり引用部分には縦線が引かれるのですが、それがページのかなり左端に近い部分に引かれます。
これをコピーする際にちょっと紙をずらすなり、印刷した紙の左端を切り取れば、引用を示す縦線がわからなくなります。
あのメールの写しはそうやって作られたものでしょう。

[政治・国際・社会]
2006.02.22 - 01:07 AM |
さよなら、茨木のり子さん | ウナギにトキメキ

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